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平成16年度税制改正(1)
〜土地・建物等の譲渡損失〜

平成16年度税制改正は3月26日に改正案どおり成立しました。
今回は改定点のうち、土地・建物等の譲渡損失について説明していきます。

T特定の居住用財産の買換え等の譲渡損失の繰越控除の期限延長と要件改正

個人が、譲渡した年の1月1日における所有期間が5年を超える居住用財産を買い換えた際に譲渡損失が発生し損益通算後もなお損失が残る場合には、下記の要件を満たすと、その譲渡した年の翌年から3年以内に限りその譲渡損失を他の所得から控除できるという繰越控除制度が認められています。

今回の改正により、下記の要件のうち、適用年限が平成18年12月31日まで延長され、また住宅ローン残高がない場合でも繰越控除制度が認められるようになりました。

適用要件

  1. 譲渡資産および譲渡
    1. 譲渡の年の1月1日における所有期間が5年超の国内になる居住用財産(家屋およびその家屋の敷地である土地等)
    2. 土地等の面積が500平米を超える場合には土地等に係る譲渡
    3. 譲渡者の親族等(特別関係者)に対する譲渡でないこと
  2. 所得
    その年の合計所得金額が3000万円以下であること

U特定の居住用財産の譲渡損失の繰越控除制度の創設

次のすべての要件に該当する譲渡等で、一定の譲渡損失については3年間の繰越控除が認められることとなりました。

  1. 譲渡
    1. 平成16年1月1日から平成18年12月31日までの間の譲渡
    2. 譲渡の年の1月1日における所有期間が5年超の居住用財産の譲渡
    3. 譲渡者の親族等(特別関係者に対する譲渡でないこと
  2. 住宅ローン
    譲渡契約締結日の前日において、譲渡資産にかかる一定の住宅ローン残高がある
  3. .所得
    その年の合計所得金額が3000万円以下であること
  4. 一定の譲渡損失
    譲渡損失の額(住宅ローン残高から譲渡対価の額を控除した残額が限度)のうち、損益通算しても控除しきれない部分
    の金額

V一般の土地・建物等の譲渡損失の損益通算不適用

平成15年度までは資産の譲渡損失が生じた場合には、一定の順序で給与所得など他の所得と損益を通算することができました。さらに青色申告者については、他の所得と通算してもさらに損失がある場合には、この損失の金額を純損失として、翌年以降3年間の繰越控除が認められてきました。

今回の改正で、一般の土地・建物等の譲渡損失は他の所得との損益通算及び翌年以降への繰越控除が認められなくなりましたので、具体例で見ていきます。

この改正は、あくまでも一般の土地・建物の譲渡の場合であって、特定の居住用財産の買い換え、譲渡の場合には、T、Uのとおり繰越控除制度が創設、拡充されております。

平成15年まで

ケース1:給与所得1000万円、譲渡損失の金額500万円 の場合

所得税の課税対象となる所得金額は、1000万円−500万円=500万円 となります。

ケース2:給与所得1000万円、譲渡所得の金額2000万円の場合

所得税の課税対象となる所得金額は、1000万円−2000万円=1000万円 となります。
青色申告者については、この−1000万円を翌年以降3年間の所得金額から控除できました。

平成16年以降

給与所得1000万円、譲渡損失の金額2000万円の場合

所得税の課税対象となる所得金額は損益通算が出来ないため、給与所得の1000万円ということになります。

W土地・建物等の長期譲渡所得の100万円特別控除の廃止

平成15年までは長期所有の土地・建物の譲渡益の計算にあたって100万円の特別控除が認められていました。

算式:譲渡収入−(取得費+譲渡費用)−100万円

平成16年以降については、この100万円の特別控除は廃止されることとなりました。

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