最近、賃貸保証専門会社による「賃貸保証システム」が急激な伸びを見せていますが、現在でも賃貸借契約上の賃借人の債務不履行の際の担保として、契約時に連帯保証人を立てると言うのが大部分のケースです。
ところが、連帯保証のような人的担保の場合、賃貸借契約の継続中、当該連帯保証人が破産をしてしまうというケースが考えられます。連帯保証人が破産した場合であっても、連帯保証契約自体は法律上終了することにはなりません。連帯保証人契約自体は連帯保証人が破産した後も存続します。
ところで、保証人が破産した場合について、破産法第25条は、「保証人が破産の宣告を受けたときは、債権者は破産宣告のときにおいて有する債権の全額につき、破産債権者としてその権利を行うことができる」旨規定しています。
よって、破産宣告時までに、賃借人が既に家賃の滞納をしていた場合、その滞納額に対応する額については連帯保証人に支払い義務が具体的に発生していますので、賃貸人は、その価格相当額について破産債権者として権利行使をすることになります。
とはいっても、ほとんどの場合、配当は期待できません。賃借人が破産宣告時までに家賃の滞納をしていなかった場合には、賃貸人は、連帯保証人に対して何らかの権利行使もできません。
そして、破産宣告前の原因に基づいて生じた債権はすべて破産債権ということになりますので(破産法15条)、連帯保証契約そのものが破産宣告前に締結されている限り、破産宣告前に賃借人が家賃を滞納したことによって生じた連帯保証人の保証債務履行請求権も、破産宣告後に賃借人が家賃を滞納したことによって生じる連帯保証人の保証債務履行請求権もすべて破産債権となり、連帯保証人が免責決定を受けると法的に請求できない権利と化してしまいます。
したがって、連帯保証人が破産してしまった場合、その者を連帯保証人にしておく法的な意味はありません。このような場合、新たに経済的資力のある他の連帯保証人を立てる必要があります。民法第450条は、第1項で「債務者が保証人を立てる義務を負う場合においては、その保証人は弁済の資力を有することが必要である」旨規定し、第2項で「保証人が弁済資力を有しなくなった場合、債務者は弁済の資力を有するものに代えるよう請求できる」旨規定しています。
賃貸借契約の条項によって、賃借人が賃貸人に対して保証人を立てる義務を負っている場合、賃借人に対し、新たに経済的資力のある連帯保証人を立てるよう請求でき、この請求に応じない場合、賃借人は債務不履行になるということになります。