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現在のアパートを建て替えるには?
【正当理由がなければ解約はできない】

定期借家契約 → ある期限をもって借家契約は終了する

相談

私が所有するアパートは亡くなった父から相続したもので、場所はよいのですが、旧式の木造アパートなので、かなり家賃を安くしても入居者が少なく、空室が目立ち始めています。そこで場所はよいのですから、現在の古アパートを取り壊して、何か別の建物を建て直して利用したいと考えています。

しかし、そうなると現在2/3ほどの部屋に借家人が住んでいますので、この全員を立ち退かせなければなりません。このために、留意しておかなければならない対応について教えてください。

回答:1年前から半年前の間に書式での通告が必要!

基本的に、以後借家人との借家契約を終了させて、借家人を立ち退かせたいと家主が考えているならそのことを少しでも可能にするための対応に留意しなければなりません。

(1)期限の更新防止

いまどきのアパート賃貸借契約なら、まず期限が決められているはずです。そして、この期限の1年間から6ヶ月前までの間に、家主から「期限は更新しませんよ」とか、「借家条件を〜に替えない限り期限は更新しませんよ」などの内容の通知を借家人にしておかないと借家契約は自動的に更新されてしまいます。(借地借下法26条1項)

従ってこのような場合、家主としてはまず、この更新防止のための借家人への通告(書式A参照)を忘れてはなりません。

そして、上記の通告をした場合でも、期間終了後、なお借家人が立ち退かないで居住を続ける場合直ちに意義(書式B参照)を述べないと、更新を認めたことになりますので、この点も注意してください。(同法26条2項)

※書式A
更新拒否の通知書
私が貴殿に賃貸中の△△アパート△△号室の借家契約の期限は、来る○年○月○日をもって期限が到来します。
この期限の到来をもって、本件借家契約は終了とし更新は認めません(または、「家賃の二割増を承認していただけないときは更新を認めません」)ので、この旨、予めご通知に及びます。
以 上
平成□年□月□日
住所:○○○○○○   貸主:△△ △△ 印
住所:□□□□□□   借主:○○ ○○ 殿
※書式B
異議の通告書
私が貴殿に賃貸中のアパート△△アパート△△号室の借家契約は、本年○月○日の期限到来により終了しました。
しかるに貴殿は、上記貸室を占拠使用し立ち退かれません。
直ちに立ち退かれるよう通告します。
以 上
平成□年□月□日
住所:○○○○○○   貸主:△△ △△ 印
住所:□□□□□□   借主:○○ ○○ 殿

(2)解約の申し入れ

借家契約に機嫌が決められていない場合、家主がこれを終了させるには<解約の申し入れ>をしなければなりません。そして、この解約の申し入れ(書式C参照)をすると、申し入れ日から6ヶ月後に借家契約は 終了します。(同法27条)

従って、家主はこの6ヶ月を見込んで、解約の通知をしなければなりません。

※書式C
解約の申入書
私が貴殿に賃貸中の△△アパート△△号室の借家契約については、今般、○○の理由で解約としたいので、この旨申し入れをいたします。
よって、本件借家契約は、6ヵ月後の○月○日をもって終了しますので以後、本件貸室より退去してこれを返還くださるよう通告いたします。
以 上
平成□年□月□日
住所:○○○○○○   貸主:△△ △△ 印
住所:□□□□□□   借主:○○ ○○ 殿

(3)更新拒否、解約の申し入れの正当理由

上記(1)の更新拒否にせよ、(2)の解約申し入れにせよ、家主が自分の勝手な一存では認められずこれらが認められるためには、正当理由がなければなりません。(同法28条)

どんな理由が正当理由として認められるかは、ケースバイケースで様々です。例えば、本問のような場合、アパートが老朽化して、根本的に改造しなければ倒壊の危険があり、その改造には新築に等しいくらいの費用が費用が見込まれる、などの場合は正当理由として認められるでしょう。

(4)契約解除

借家人が借家契約で決められた約束事、例えば家賃の支払いを怠った場合、家主は借家人の契約違反を責めて、借家契約を解除することができる場合もあり、このときは借家人を貸室より退去させることができます。

しかし裁判所の考え方は、借家契約の特殊性から、わずかな契約違反では解除までは認めず、借家人の契約違反か、家主に対する背信的なものであるようなとき、家主の契約解除、立ち退き請求を認めているようです。

(5)合意解約

家主と借家人が話し合ってお互い合意に達すれば、借家契約を合意解約して、借家人を立ち退かせることはもちろん可能です。

(6)定期借家契約の利用

新しい借地借家法では、期限の更新を一切認めない定期借家契約を認めています。(同法38条)

従って、家主がアパートの取り壊しを予定しているなら、期限の更新を認めるとき、更新後の借家契約は定期借家契約とする旨の条件をつけて更新に応じるというのも一つの方法です。これなら更新後、期限が来れば再更新は認められず、そのときをもって借家契約は終了するからです。

回答:話し合いにより解約を了承させる

(7)調停手続きの利用

例えば、更新拒否にせよ解約申し入れにせよ、家主側に確かな正当理由がない場合、借家人との話し合いにより、借家人に有利な条件をつけることで更新拒否や解約を借家人に承諾させるような場合がよくあります。

このような話し合いのとき、よく利用されるのが調停手続きです。当事者間に調停委員が入ってもらい、調停委員に話し合いを進めてもらうのです。この結果調停が成立し、借家人の立ち退きが調停調書に記載されますと、借家人が立ち退かない場合、この調書に基づいて、借家人を強制的に立ち退かせることも可能となります。(8)総合対策の必要本問のような場合、専門家(例えば弁護士など)を交えて、アパート全体の立ち退かせ計画を総合的に立案し、その計画を実行するようにしないと、無駄な手間隙費用がかかり損害を多くします。

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