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生命保険を利用した相続税対策
地価は下落しても税負担額は増加

デフレ基調の経済状況の中、不動産の価格についても、一部では下げ止まりの感があるものの、依然として値下がりが続いています。これに伴い、相続税路線価も下がり、相続税負担額も年々減少してきています。

しかし、相続税の実質負担額を見ると、それとは逆に上昇してきています。平成6年度に相続税路線価が地価公示価格の80%水準に引き上げられたことが、大きな要因となっています。

相続財産のうち70%近くが土地であると言われておりますので、財産の半分以下が不動産という方も多いかと思います。従って、計画的に相続税の納税資金対策を考えないと、いざという時に土地を手放したり、安価で売却しなければならなくなります。また、一歩間違うと、相続税破産ということにもなりかねません。

一般的に相続税対策というと、節税対策が強調されますが、まず相続人同士の遺産争いを防ぎ、相続税の 納税資金をいかに確保するかについて考える必要があると思います。

そこで今回は、生命保険を利用した相続税の納税資金対策について見ていきたいと思います。

問い:2180万円の支払いを減らすには

妻と長男がいて、現在、自宅ほか、都内に賃貸マンションを所有しております。 正味の相続財産は2億5000万円で、そのほとんどが不動産です。 マンションはバブル期に相続税対策として、親から相続した土地に、全額借金で建築したものです。

しかしここ数年、マンションの建設ラッシュが続き、空き室も目立ち始め、家賃収入も減り、借金の返済も苦しくなってきました。妻と長男に半分ずつ遺産を分けたとしても、2180万円の相続税を納税しなければなりません。

しかし、そんな手持ち資金の余裕もそんなにありませんし、自宅や親から受け継いだ土地も手放したくはありません。

そこで、相続税の納税資金対策を考えたいと思っています。何かよい方法はありませんでしょうか?

回答

相続税の税資金対策として、不動産を売却する方法や物納による方法などがあります。

法定相続人の数×500万円が非課税

しかし、Aさんは、土地を手放したくないとのお考えのようですので、生命保険に加入して納税資金を確保することをお勧めします。生命保険だけでは、あまり大きな節税効果は期待できませんが、比較的少ない保険料の負担で、必要な納税資金を確保することができます。生命保険金は、相続税法上、非課税規定があり、法定相続人の数×500万円までが非課税となります。Aさんの場合ですと、相続人が奥さんと息子さんの2人ですので、2人×500万円=1000万円までは相続税がかからないことになります。

問題となるのは、どのような生命保険に加入するかということ。

まず、生命保険の加入に際して注意すべきことは、相続税がどのくらい課され、納税資金をどのくらい確保しておく必要があるのかを事前に把握しておくことです。相続税の納税資金対策で生命保険に加入する場合、一生涯保証が続く終身保険を中心に加入することが基本となります。

Aさんの場合、死亡保険金が2500万円の終身保険に加入すれば、納税資金対策としては十分であると言えます。死亡保険金が2500万円の場合、非課税額1000万円を差し引いた1500万円に対し相続税が225万円(1500万円×持分1/2× 税率30%)課税されますので、相続税はトータルで2405万円(2180万円+225万円)になりますが、 死亡保険金2500万円の枠内ですから、納税資金は確保できている、と言えます。

110万円以内の贈与を利用する

これとは別に、親から子に毎年、保険料相当額を贈与して、子供が親を被保険者とする生命保険契約を締結する方法もあります。贈与税の非課税限度額は年間110万円ですから、毎年、110万円ずつ贈与していけば贈与税の負担もありません。年払保険料が110万円であれば、被保険者である親の年齢が60歳の場合、2500万円くらいの終身保険に加入できます。

このように、保険契約者が子供(保険料負担者も子供)、被保険者が親、保険金受取人が子供のケースでは、相続税ではなく子供の一時所得として所得税が課税されます。

一時所得は(受取保険金−支払保険料累計額−特別控除額50万円)×1/2で計算されます。一時所得の最高税率は、(所得税37%+住民税13%)×1/2=25%であるため、おおむね正味の相続財産が2億円以上であれば、一時所得としての課税のほうが有利であるといわれております。

従って、より大きな保障を得たいという方は、多少の贈与税を負担してでも、保険料相当額を子供に贈与する方が課税上有利ということになります。

相続税速算表
課税遺産総額に各相続人の法定相続分を乗じた額 税率 控除額
〜800万円以下 10%
800万円越〜1600万円以下 15% 40万円
1600万円越〜3000万円以下 20% 120万円
3000万円越〜5000万円以下 25% 270万円
5000万円越〜1億円以下 30% 520万円
1億円越〜2億円以下 40% 1520万円
2億円越〜4億円以下 50% 3520万円
4億円越〜20億円以下 60% 7520万円
20億円越〜 70% 2億7520万円
贈与税速算表
基礎控除及び配偶者控除後の課税価格 税率 控除額
〜150万円以下 10% -
150万円越〜200万円以下 15% 7万5000円
200万円越〜250万円以下 20% 17万5000円
250万円越〜350万円以下 25% 30万円
350万円越〜450万円以下 30% 47万5000円
450万円越〜600万円以下 35% 70万円
600万円越〜800万円以下 40% 100万円
800万円越〜1000万円以下 45% 140万円
1000万円越〜1500万以下 50% 190万円
1500万円越〜2500万円以下 55% 265万円
2500万円越〜4000万円以下 60% 390万円
4000万円越〜1億円以下 65% 590万円
1億円越〜 70% 1090万円

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