親がかなりのお金持ちで余裕があるなら、親に全額出してもらい、家を買ってもらうという手もある。この場合、当然親名義の家になる。
実際、子供の大学入試や就職を機に、手頃な大きさのマンションを次々購入し、子供に一定期間住まわせ、その後は賃貸に回している親もいれば、子世帯用にマンションを買い与えるケースも出てきている。親の家に住むなら、子供は家賃を払わなくても税金的にはまったく問題ない。親も財産の一部を不動産に変えるだけで、自分の資産が目減りするわけではないので、ペイオフに備えて、子供のために住宅を購入する親は増えているようだ。
すでに持ち家があり、預貯金などもたくさんある親の場合、万一のときに現金でお金を残すより、不動産にした方が相続税が少なくなり、節税になると言う効果もある。
と言うのは、不動産を相続する場合は、購入価格がそのまま相続税の対象になるわけではないからだ。特に土地付き住宅の場合は小規模宅地の軽減措置で、購入価格よりかなり少ない金額になることが多い。
ただし、親が万一のときは、親の持ち家(共有名義の親の持分も含む)と預貯金などの財産を全て合計して遺産を出し、法定相続人で協議して分けることになる。兄弟がいれば、そのままその家を相続できるとは限らないので、あらかじめ家族みんなで話し合っておくとか、場合によっては遺言書を書いておいてもらうことも必要だ。
子供の住まいは親にとっても重大な関心事。ペイオフ解禁を前に、親子であらためてマイホームについて話し合い、資産分散の一つとして、住宅購入に踏み切るのもいいだろう。預金で預けるにも、絶対に安心といえる金融機関は少なく、超低金利の今、住宅として子供に残すことは、資産を有効に生かす道でもある。子供にとっても親のありがたさが良く分かる。ただし、親の生活も尊重し、ムリなく甘えられる範囲で相談することが大切だ。
亡くなった人にかなりの財産があれば、それを相続する人に相続税がかかるが、実際にはかからない人のほうが多いので心配することはない。
相続税は預貯金や保険金、不動産などの遺産から課税される価格(相続税評価額)をだして計算される。預貯金などはその金額がそのまま課税金額になるが、保険金には一定の非課税額があり、不動産も一定の評価額に直して課税価格に加えられる。土地は路線価で評価額を出すか、固定資産税評価額に一定の倍率をかけるのかのどちらか。建物は固定資産税評価額と同じ。
さらに、一定の要件を満たした宅地は、小規模宅地の特例で評価額が8割または5割になる。つまり、住宅を相続税の価格に直すと、購入価格よりぐんと少なくなることが多いのだ。
相続価格が多くても、相続税は基礎控除を引いた金額で計算され、配偶者には税額軽減もある、実質的には相続税がかかるのは、ごく限られた人になるだろう。