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Vol.3 現地調査におけるチェックポイント

現地調査におけるチェックポイント

不動産を取得する上で、現地調査は不可欠なものである。
特に競売の場合には、物件は現状渡しであり、仮に何らかの欠陥が見られた場合でもすべて買受人側の費用で処理しなければならないため、念入りに調査を行う必要がある。
今回は物件現地調査における具体的なノウハウについて見ていくことにしよう。

不動産競売物件のチェックポイント

  1. 外国人やホームレスが多数出入りしていないか
  2. 無人のはずなのに人の気配がしないか
  3. 周辺に不審な人物、車がいないか
  4. 自分のほかに物件を見に来ている人の数や素性は?
  5. 店舗が入居している場合には客層はどのようなものか
  6. 排水溝など目に付かない場所の劣化具合はどうか
  7. 前オーナーの債権者は誰か
  8. 物件に抵当権が設定されたのはいつか
  9. 物件の差し押さえ日はいつか

賃貸用物件の場合、占有の有無を確認

競売物件に関しての最大のリスクは占有である。

自分が入札しようと考えている物件の調査を行う場合には、建物の劣化具合などを調べるのはもちろんのことであるが、占有の可能性があるのか、という点についてもできる限りの調査をすることが極めて重要になってくる。

もともと自宅や自社オフィスとして用いられていた物件であるならば、それまでの所有者は競売に際しては買受人に物件を明け渡さなければならないことから、占有トラブルは起こりにくいため、それほど心配はいらないと考えられるが、賃貸用物件の場合には占有に関してはどれだけ注意をしてもしすぎるということはない。
占有の有無のチェックの方法としては、全てのすべての入居者に会い、「実は私は今度この物件を買おうとしているものだが」と説明をするのが一番。
立退き料などをめぐってもめるような入居者は、このときの態度である程度わかる。
しかし、すべての入居者が快く会ってくれるとは限らないし、会えたとしても相手の貸室内にまで立ち入ることは困難であり細かな素性まではわからないことが多い。
また、物件によっては防犯上建物の内部には入居者以外は入ることができず、入居者に会うこそすら困難ということもある。そうした場合には、物件周辺の聞き込みや調査を行うことで、占有の可能性について推測していくことが必要となる。
例えば、物件の出入り口が見える場所で何時間か張り込みするのも重要。
物件を占有しているのは暴力団関係者や彼らに雇われた外国人・ホームレスが多い。
このような人物の出入りが多く見られる物件については注意をしたほうがよいといえるだろう。また物件の周囲についても気をつけて見てみる必要がある。
地元以外のナンバーの車が長期間にわたり路上駐車をしているような物件にも警戒が必要となる。
しかし、彼ら占有屋は自分が占有していることが事前にばれてしまっては、その物件を落札する人がいなくなり、元も子もなくなってしまう。
従って基本的には彼らは外出など目立つ行動はとりたがらない。こちら側が24時間不眠不休で張り込みができるのならばともかく、数時間の張り込みを行った程度では彼らのしっぽをつかむことはかなり困難といえる。

競売物件の落とし穴にも要注意!

他に調査に訪れる人物の素性をチェック

そこで役に立つのが、その物件、そかも貸室内にまで合法的に立ち入ることのできる人物への聞き込みを行うことである。
例えばクリーニング店やそば店、宅配ピザ店など出前・配達のためにその物件に出入りをしていると思われる人たちに「あの物件にはどのような人が住んでいるのか」「物件の中はどのような様子なのか」「見慣れない人物が出入りしているということはないか」などといった点を質問すれば、ある程度の情報を得ることは可能だ。
さらにその物件(部屋)が裁判所の物件ファイルに記載されている通り無人かどうかを確認するだけならば、特に聞き込みなどは行わなくとも、水道メーターが作動しているかどうかという点や、インターホンの電源が入っているかどうか(赤ランプ点灯で確認可能)で知ることも可能である。
このような占有の有無のチェックと合わせて、通常の売り物件と同様に建物本体の状況についても調査を行っていくと良い。
競売物件は所有者が経営的に厳しい状況にあったため、適切な保守・メンテナンスが行われていないことが多い。
思わぬところに欠陥が生じていることがある。
特に目に付きにくいところ、例えば給配水管などは劣化が進んでいる可能性が高い。建物周囲の排水溝のフタをあけて、赤サビが生じていないか、などのチェックを行う必要があるだろう。
また、このような現地調査は物件そのものの欠陥や占有リスクを調べること以外にも、重要な役割を担うことになる。
それは、他の入札希望者、つまりライバルの動向を知るヒントにもなる、という点だ。
自分と同様に物件のチェックを行っている人物の姿が多く見られるほど、その物件への入札件数が多くなることが予想される。
その分入札価格は上昇し、投資妙味という面ではどうしても低くなってしまう。
もちろんたった1回の物件調査では確かなことは言えないが、数回調査に行き、いずれもライバルとおぼしき人物を見かけるようならば、その物件への入札については慎重に対応したほうがよいと思われる。そのためにも、物件調査は1回のみでなく、平日と休日、昼間と夜間などのように、なるべく異なる環境下で複数回行ったほうがよいと言える。

入札の予定がなくても、見学を行い相場観を磨く

占有のチェック以外にも、その物件を見に来たライバルがどのような人物か、という点をチェックすることも重要だ。入札に参加する人たちの層によって実際の落札価格にも大きな差が生じることになると考えられるからだ。
例えば、家族連れ(や夫婦連れ)で物件を見に来る人は、投資目的ではなく自宅として使用することを目的としてた入札と考えられる。
そうした場合には自分が気に入った物件への思い入れが強くなり「何が何でも落札しよう」と考えることから採算性を考えたらまず不可能な、相当な高値で入札をしてくる可能性がある。
また一般の入札者と思われる人がスーツ姿の人にアドバイスを受けながら物件調査を行っている場合は、競売コンサルティング業者が介在していると考えられる。
こうした業者は物件の選定から引渡しまでをコンサルティングし、この場合落札価格は高いものになる傾向が強いようだ。
このような判断材料を基準にして、入札の戦略を立てることも可能になるのである。
ここまで見てきた、競売において物件の現地調査を行うことは、さまざまは面において非常に重要なポイントとなる。実際にその物件に入札を行う予定がなくても「競売物件とはどのようなものか」という点についての知識や相場観を養うためにも、開示物件のうちの何件かを見に行ってみると良いだろう。

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